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講演をする、吉井亮介のブログ
「本1000冊で、コトバの深さを伝えるブログ」

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これが私の優しさです/谷川俊太郎

毎日使う言葉。コトバ。ことば。
ことばには、意味のほかにも人に影響する要素がありますが、
それが大事になる場面が経営の中にもあります。

意味のほかに、何があるかって?

あのね、例えば、言葉の雰囲気やイメージ。
「ホテル」と、「コテージ」という言葉は少し印象が違います。
「おばあちゃん」と、「老婆」も違います。
「言葉」と「ことば」と「コトバ」も違います。


他にも「音」や「リズム」や「雰囲気」というものも、言葉の大事な要素ですし、
それらもろもろをあわせて「文体」という言葉で表されることがあります。

ちなみにこの文体は、僕が新刊を書くに当たって、もっとも気を使ったところです。
伝わることが変わるからです。

僕は比較的はやくから文体の重要性を考えていますが、
選ぶ言葉によって伝わることが変わってしまうことを僕に教えてくれたのは
日本の詩人であり、
ひとりは、谷川俊太郎さんです。

まあ、次の詩、読んでみてください。


「窓の外の若葉について考えていいですか
 そのむこうの青空について考えても?
 永遠と虚無について考えていいですか
 あなたが死にかけている時に」


という言葉で始まる「これが私の優しさです」と、


「やんまにがした
 ぐんまのとんま
 さんまをやいて
 あんまとたべた」


とはじまる「やんま」。

意味が違うこと以上に、心に入り込む何かがまったく違うと思いません?
同じ人が書いても、伝わる「人」が変わります。
同じ人が書いているのにねぇ。

どちらが好き嫌いというのもあると思いますよ。
でもそれだけではなくて、この文体の違いは、
意味以上にたくさんのことを無条件に
つたえることをわかってもらえると思います。

あまり気にされないことだからこそ、
そのことを感じてもらえたら、おもしろいと思いました。


あなたの会社の使う言葉が、「無機質な企業文体」なのか、
もっと違う文体なのかで、
お客さんがあなたの会社にもつイメージは、変わります。
それは、とても大事なものなんですよ。

企業文体は、大企業に任せましょう。
僕たちは、顔の見えるビジネスを。
顔はね、細部で力を抜かなかったときに、現われるんだよ。

▼「これが私の優しさです」(谷川俊太郎・集英社文庫)
http://www.amazon.co.jp/dp/4087520358/



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